前に会社のテックブログにもさらっと書いたのですが、他社のQAの方と雑談をしていると「それいいっすね」と言ってもらうことがあるので、まとめておきます。
ライブテスティング会とは
ライブテスティング会とは、QAエンジニアやテストエンジニアが探索的テストをしている様子を、画面共有で開発者など他ロールの方に見せる会のことです。
開発中の機能や画面などを提供してもらって、「はい!じゃあ今からこの機能に対してテストしていきたいと思います!」という、今考えるとYouTuberの実況配信みたいなスタイルです。
ライブテスティングのねらい
色々な効果が考えられますが、当初狙っていたのは「QA・テストエンジニアの思考過程を覗き見してもらって、興味をもってもらうこと」です。
当時ひとりめQAとしてJoinしていたので、QAってどんなことするの?何ができるの?というところから知ってもらう必要がありました。そのため、固い自己紹介などもやっていたのですが、もうちょっとイベント感覚で楽しんでもらえる方法もないかなーと考えて思いついたのがコレでした。
もしバグが見つかれば「やるやん!」と思ってもらえますし、見つからなかったとしても探索的テストを通じてリストアップした観点などは次回以降開発者のテストにも使えますし、無駄にはならないだろう、と考えました。
ライブテスティングの進め方
準備
開発者・開発チームにも共有してもらい、以下を用意します。
- テスト対象の機能やアプリケーション
- ログイン情報やテストデータ
- NG行為
- ここは触らないでほしい、この処理はやらないでほしい、など
加えて、これは好みですが
- テスト対象をもとに見たいポイントをまとめたマインドマップ
も用意しておくのがオススメです。これは単純に3分クッキング方式のためで、ライブテスティング会を1時間枠で行ったので、最初に「今日はこのへん見ていきたいと思います」と言ってざっくり観点ツリーを見せつつ、必要に応じてツリーを生やしていくほうが尺に対して収まりがよいと思います。
実施
実施はオンラインで画面共有でも、会議室でモニタに映してでも、どちらでもOKです。
テスト対象と、テストしたい内容や結果をメモするためのなにか(エディタや、私の場合はマインドマップ)を用意してスタートします。
これまた好みですが、私は「参加者からのツッコミアリ」という、モブテスティング要素を加えたライブテスティングを行っていました。会の最初に「気になるところあったらコメントください!志村うしろうしろーってやつです」と言っておいて、単に見るだけなく視聴者参加型で進める宣言をしておきます。単純にこのほうが楽しそうで、かつ後日参加者が探索的テストする際に同じようなポイントを思いつきやすくなるだろう、という発想です。
やってみて
わりと好意的なコメントをいただきました。結果、クリティカルなバグが見つかったりはしなかったのですが、若干あやしい挙動をみせたりもしたので「QA専門の人ってそういうところ見るんですね」とか「緊張しながら見てましたが、大きな問題出てこなくてよかったです」といった反応でした。
ライブテスティングはおすすめ
そもそもこのライブテスティングという発想は、過去スクラム系かPHP系かのイベントでリナ?(@rina)さん / Xがやっていたような記憶があって、そこにヒントを得たものです。また、調べてみると2008年とかそのくらいのJaSSTでも行われていたようなので、目新しいものではありません。が、あまり「やってるよ!」という話を聞かなかったので、これきっかけにもうちょっと流行ると楽しそうだなーと思っています。ライブテスティングはいいぞー。