昔書いたメモにあったので、改めて文章化してみます。
自分も若い頃、とくに顧客向け提案資料作成などでやってしまっていたのですが、仕事というものを「上司の正解探しゲーム」にしてしまうと本当に辛くなります。
上司の正解探しゲーム、というのはどういうことか。これは、上司の中に正解としての成果物が存在するものとして、それを想像しながら作る→コメントもらう→直す→コメントもらう→・・・という仕事の仕方、という意味合いで私は捉えています。このあたり細かいニュアンスの違いは人によってあるかもしれません。
ポイントとしては、
- 上司は正解を持っていない
- 上司の正解探しは本質ではない
の2点だと考えています。
1つ目の上司は正解を持っていない、というのは、とくに若者が無意識に勘違いしがちかな、と思います。上司が正解としての成果物像を明確に持っており、部下が作ったものと正解像との差分を指摘している、という思い込みです。これ一度でも上司側をやってみるとわかるんですが、「見てコメントください!」と言われたときのコメントはあくまでも「こうするともっと良くなりそう」であって、正解に近づけようとしているわけではないんですよね。むしろ正解なんてないです。
この「正解なんて無い」が2つ目の話で、先の資料づくりの例でいけば「顧客に提案をして契約をゲットする」のが目的であって、上司が「OK」と言うかどうかはあくまでもその過程でしかないわけですよね。なのでそこをゴールにしてしまうとやることがブレてしまう。 部下側としてやるべきなのは「契約ゲットのために自分が必要だ、これが良い、と思う資料を作ること」であって、上司にコメントをもらうのは責任被ってもらうためというのが実態です。上司の正解を探すのではなくて、コメントもらったときに「いや、ここはこれがいいと思うんですよ!」と言えるように考えて作ること、です。
もちろんこのあたりの話は綺麗事であって、実際の上司の性格の良し悪しやカルチャーなどによって大いに左右されるのですが。
と、昔のメモを見ながらつらつらと書いてみましたが、Twitterにも同じようなことをつぶやいてっしゃる方がいました。やっぱり、そうですよねー。
大企業でも中小でもスタートアップでもあると思うんですけど、「上司が思っているだろう正解探し」が仕事になると個人としてもつまらないし、会社としても成長しないという負の連鎖が続いてしまうと思っている https://t.co/d8SfgYTEZr
— Yuki Mimuro (@yuki_mimu) July 13, 2022
コレを「延々と上司の求める正解探し」をさせている自覚がないからパワハラって言われて部下離れてくんでしょ。
— まいむちゃん (@maimmaimchan) November 13, 2024
結果が見える形で突きつけられてんのになんで自分が正解を行なっている前提で話せるんだよ意味わかんねえな。
正解探しから抜け出すことが、優秀な
— Taku | 事業推進・DX支援 (@ts379_taku) January 26, 2020
ビジネスマンへの一歩目なのかも。
答えを探しているとどうしても思考が停止すると思う。僕も新卒の頃はそうだったな。
でも、上司の顔色伺ったりや楽したいというメンタルをなくして、お客さんのこと考えると、正解探しがなくなった気がする。
幸い私自身は上司側から「正解探しゲーム」を強いられた経験はなく、自分が部下として仕事をする中でうっかり正解探しゲームに向かって思考が(無意識に)ハマってしまう、というパターンでした。このあたり、抽象的な話でわかりづらいかもしれませんが、とくに若い方は「そういうこともあるのか」と頭の片隅においてもらえるといいかもしれません。