はてな匿名ダイアリーきかっけでエンジニアが色々お気持ちを表明しています。
「エンジニアってなんか性格悪くね」のあれは「コミュニケーションが下手」ですむところを「性格が悪い」としてるのが性格悪く感じる話…ハンロンの剃刀が浮かぶ - Togetter [トゥギャッター]
自分も色々思うところはあるのですが、ひとつ大事なこととして、「仕事って人だよね」 ということがあります。
私はテスト・QA・テスト自動化エンジニアとして仕事をしていて、恥ずかしながら20代のころはイキり散らかしていたフシがあります。技術力こそパワー!みたいな。でも実際にはそうではない、と気付いたのが30歳を過ぎてからでした。気付いたことと実践できていることとはまた別なんですけど。
さておき、仕事するうえでは技術力はもちろんあったほうがいいですが、それ以上に仕事の成果を左右するのは結局他人のちからをどう借りるかだよな、とは思っています。
で、他人のちからを借りるのに必要なのは、関係性です。そういう意味でいえば、先のはてな匿名ダイアリーの元ネタを書いた人にもたしかに落ち度がありそうですが、言及されているエンジニア側も他者との関係性づくりに失敗していた部分はあるのかな、と感じます。ネット上の書き込みが元なのであくまでも推測です。
エンジニアがなにか成果を出すには、他のロールとの関係性が大事。なわけですが、とりわけQAエンジニアやテストエンジニアはその傾向が強いように思います。開発者だったら自力でなにかサービス作りました、ゼロから形にしました、という動き方もできなくはないですが、テスト・QAエンジニアはそうはいきませんし。
他のロールの方との関係性をつくるうえで、大事なことはたくさんあります。(飲みニケーションとかもね。)そのうち、自分が体験して「あ、こういうのってやっておいてよかったな」と思うものがありまして。それがQA関係なさそうな仕事もやることです。
便宜上ここではQA関係なさそうな仕事のことを「雑用」と表現しますね。これは「その仕事は大事なのに雑用と言うとは何事か!」みたいな野暮なツッコミはしないでくださいね、の意味です。
過去やったものとしては、たとえば
- 部署全体の会議運営に関すること
- アンケートの回答依頼をして集計するとか
- Teams会議が始まったら録画ボタンおすとか
- リハに参加して音声チェックするとか
- 採用に関すること
- QAに直接関係のない開発言語のカンファレンスのスポンサー手続きや当日のブース対応とか
などなどがあります。
QAエンジニアのしごとに直接関係はなさそうに見えますし、これらをがんばったからといって品質が上がるかというと、ちょっと遠めです。風がふいてから桶屋が儲かるくらいには遠そうです。じゃあ「やっておいてよかった」ポイントがどこなのかというと、まさに社内のエンジニアや他の職種(広報とか)の方とのやりとりの機会になる点です。とくに入社して1年以内くらいだと、なお効果が大きいように思います。「単純接触効果」という概念もあるように、「たまに見かけるあの人」「前に**の件で話をしたあの人」になったほうが、ほかのお願いや会話をする際にスムーズになることが期待できます。
この効果、意外と馬鹿にできないと感じています。専門家ではないので体感でしかないのですが。
仕事において生産性が重視される場面は多いと思いますし、どのくらい本職=QAエンジニアとしてのバリューが出せる業務にリソースを割いているかももちろん大事だとは思います。ただ、そうした工数割合では単純に測れない、一見関係ない雑用をやることで構築した周囲との関係性が、あとあとレバレッジ効いてくるんじゃないかなー、というのが私の意見ですね。測りづらいですけど。
あ、もちろん「今後のしごとが進めやすいように**さんに恩を売っておこう」的な発想で日々仕事をしているわけではない、という点は言っておきたいです。その瞬間瞬間ではもっとウェットな、「**さんが困っているようなら手助けしたい」とか「誰もやらないならとりあえず自分ボール拾っておこう」とか「QA関係ないけど楽しそうだからやっちゃうか」とか、そういった気持ちで動いていて、あとで振り返ってみるとそこでできたつながりや関係のおかげでQA仕事がうまくいった場面もあるよな~、という順番です。打算的になりすぎるとうまくいかないかも。