未完成のものを他人の目に晒していくスキルって大事だよな、と思っています。
ちょっとズレる自覚はあるのですが、こう思った発端としては「テストケースを書き上げてからレビューを受けるのではなく、途中でレビューうけよう。そのためにテスト設計というのが必要でね・・・」という話をちょこちょこ開発組織内でしていること、です。
上の話を1段階抽象化すると、最終成果物ではなく中間成果物ですり合わせようぜ!ということです。(テストプロセスに沿って段階を踏む意味というのはコレ以外にもあると思っていますが、わかりやすいので・・・)
そして、このときの例として挙げるのが資料づくりです。一般に新社会人が教わるスキルとして、「資料は2割できた時点で確認してもらえ!」というものがありますが、それです。
この新社会人への教えは全くもって正しいと思っているのですが、この「2割できた時点で人に見せる」というのは、これ自体がスキルだと考えています。
2割という数字はここでは本質ではないので、本記事タイトルのように「未完成のものを他人に見せる」という表現にしましょう。
未完成のものを他人に見せて確認してもらう際、
- マインド
- 作り方
の両面が要ります。
マインドのほうは単純で、未完成のものを他人に見せるのを「はずかしい」とか「はばかられる」とか思わないようにする、ということです。これは慣れが非常に大きいと感じています。
作り方のほうは、たとえば完成時に10ページになりそうな資料があるとして、
- 2ページ目まで完成させて、残り8ページは白紙
- 10ページ目までタイトルだけ埋まって中身は空
のうち、ちゃんと1ではなく2で持っていくスキルです。
未完成のものを他人の目に晒すスキルがあると、手戻りを減らしつつスムーズに仕事を進められる。万能スキルですね。
じゃあこのマインドと作り方をどうやって身につけるの?という話ですが、(自分ができているかは一旦棚に上げると)「アウトプットしまくれ!」になるかなーと思っています。
アウトプット、特にエンジニアの場合は
- 人前での発表
- ブログ
などが身近かなと思いますが、これらって多くの場合「完璧にできたぞ!」と思って出すことってほぼないんですよね。
発表なんかは特に、当日が迫ってくる中であーでもないこーでもないしながら「ああ、まだ全然ダメな気がするけど明日が発表だからもうこれでいくしかない!」みたいになって本番を迎えること、ありますよね。よね?ね?ですよね?私だけ?
何がいいたいかというと、「完璧!」と思ってアウトプットしていることはたぶんほぼなくて、どちらかというと「まだまだだけどコレで出すしかない・・・やむなし!」という、自分自身では未完成であるような気がしつつも出すことが多そう、ということです。
ということは、アウトプットをたくさんしている人はそれだけ「未完成のものを他人の目に晒す」経験をたくさん積んでいるということになります。もちろん未完成とはいえ、他人が見て全く意味が通らないわけではなく、最低限の形にはなっているモノを出しているので、先の完成時に10ページの資料の例で言うと、2番目の状態にはなっているわけです。
ということは、アウトプットをたくさんしている人は、先に挙げた
- マインド:未完成のものを出すことに慣れている
- 作り方:最低限全体が形になっているものをつくるスキルがある
のです。
アウトプットたくさんしていると、エンジニアに限らずひろくお仕事一般に役立つであろう「未完成のものを他人の目に晒してフィードバックもらって良くしていく」が、できるようになるのでは!という話でした。