先日行われた「求められるQAエンジニア」とは ‐ いとうよしきさん、tsuemuraさんに聞くキャリアの歩み方 - connpassにて以下質問をいただき、その場では時間の都合で回答はできなかったので、ここでお答えしたいと思います。
このほかにも、時間の関係でお答えしきれなかった質問については順次回答を記事化していきます。(ブログネタになるので大変ありがたい・・・
未経験QAの自己研鑽
このような質問をいただきました。
開発未経験かつ第三者検証機関での勤務経験などもなく、プロダクトのユーザーの立場からQAになることになりました。その後、独学で小さなQA組織として活動してきました。今はQA経験豊富な先輩がいる事業会社に転職しましたが、自分の能力のなさに愕然とする毎日です。それでも少しずつでも進歩するために自己研鑽として業務以外の時間にできることを教えてほしいです。
最初につまらないであろう回答をしておくと、自己研鑽として業務以外の時間にできることはインプットとアウトプットです。
- インプット
- 本を読む
- ブログやニュースサイトを読む
- 論文を読む
- スライドを読む
- ASTERセミナーテキストを読む
- イベントやセミナーやカンファレンスに参加する
- アウトプット
- ブログを書く
- ノートやローカルのメモを書く
- 社内ナレッジベースに書く
- 本を書く
- ポッドキャストやYouTubeをとって公開する
- テスト設計コンテストに出る
- JSTQB等の資格をとる
- コードを書く、DockerやGitなど関連ツールを自分でも触ってみる
などなどでしょうか。他にもたくさんあると思いますが。ここまでがつまらない回答です。もうちょっと踏み込んでお答えしますね。
まず王道から。
せっかくQA経験豊富な先輩がいる事業会社にいらっしゃるということで、一番いいのはその先輩に「何学べばいいっすか!」と聞いて、そこでオススメされた学習リソースや方法を片っ端からやるのが一番いいと思います。やる気のアピールにもなりますし、質問者さん個人のことを知らない私がするよりも的確なアドバイスを得られる可能性が高いです。
ただ、そのような環境にありながらせっかく質問してくださったということで、他の回答もしておきたいですね。もしかしたら上記は既にやっているかもしれませんし。
自己研鑽の前に自分の知識・経験を棚卸しするのがおすすめ
昔こんな記事を書いたことがあります。
30歳が近づいてきたので、前に描いた「30歳時点でのスキルマップ」を見返してみた - テストウフ
私がオススメしたいのは、自分が知っていることをマインドマップでも何でも良いのですが構造化しながらとにかく書き出してみて、それぞれに対して「これはできる」とか「これはまだできない」などをメモしていく、というワークです。
自己研鑽だーといってなんでもかんでもインプットするのはそれはそれで楽しいのですが、質問者さんの「少しずつでも進歩したい」という思いを考えると、最初に「自分が身につけるべきことはなにか」リストを作るところからスタートするといいんじゃないかなーと感じました。
業務以外の時間に自己研鑽して進歩したい、という思いはものすごくわかるのですが、危険な面もあります。それは「進歩している実感が得られないとツラい」という点。これを解消するために、自分に足りないジャンルや「まだ知らないけど身につけたい」という内容を書き出したうえで、それがなんとなくできると思えるようになったり、実務経験が積めたりしたらおおきくマルでもチェックでもつけるのがいいです。スタンプラリーを埋めていくような感覚ですね。これやると、自己研鑽して自分ができるようになったことが可視化されるので、進歩を実感しながらやっていけると思います。
マップを描いたりリスト化したりする際は、会社の経験豊富な先輩にも見せて「自分のスキルってこんな感じですかね?」とか、「このジャンルで身につけるべきことが思いつかないのですが、キーワードいくつか挙げてもらえますか」とか素直に聞いちゃうといいでしょう。
自分のコンテンツを作ってアップデートしつづけるのもアリ
最近私は、公開はしていないのですが自分のコンテンツとして「品質保証やソフトウェアテストに関する概要を知るためのスライド」的なものを作っています。
ほなみんさんのコレとかに近いかも。
どこかで使う予定がある、わけではないのですが、QAやテストについて自分が知っていることや他人に説明できることをネタとして持っておこう、という意図です。
あとこういうスライドをいざ作り始めると、まあ書けない。 たぶん最初はあさーいことしか書けなくて、自分の無理解を突きつけられるんですよね。質問者さんは既に愕然とする毎日ですとおっしゃっているのでとくに問題ないかもですが。
やるべきことは、まずはあさーいうすーいやつでもいいので、資料をささっと作ります。で、そのあさーいうすーい部分を厚くするための勉強なりインプットをして、資料を育てていく。
この資料って結局自分自身の知識を反映したものでもあるので、資料を育てるということは自分を育てることにもなる、自己研鑽ですね。
これは私も実践中なので「効果あるよ!おすすめ!」とまでは言えないのですが、ほぼ間違いなく役立つだろうという実感があります。よかったらぜひ。