すでにいくつかQ&A記事を公開していますが、先日「求められるQAエンジニア」とは ‐ いとうよしきさん、tsuemuraさんに聞くキャリアの歩み方 - connpassにて発表してきました。
-求められるQAエンジニアとは- いとうよしきさん、tsuemuraさんに聞く キャリアの歩み方 | IT/Webエンジニアの転職・求人サイトFindy – GitHubからスキル偏差値を算出からFindyさんのアカウントでログインすると動画が見られる仕組みです。
発表した内容と裏話的なところ
今回はQAのキャリアに関するイベント、ということで、とくにひとさまにドヤれるキャリアやすごい偉業があるわけではないものの、自分なりにお話させていただきました。
タイトルは
「やりたいことはない。しかし不安と迷いはある。」というQAエンジニアのための考え方
としました。
※資料公開はまだです、おまたせしていてすみません。
思い
タイトルの通りなのですが、自分自身がキャリアについて
- 明確なゴールに向かって突き進んできたタイプではない
- 迷ったり不安に思ったり上司に迷惑かけたりしながらやってきた
人間です。
なので本当に偉そうなこと言えないんですよね。偉そうなこと言えない一方で、 同じような人も多いのではないか と感じていました。
キャリア論って、わりと
- 強い精神で高みを目指す系、意識高くキャリア形成する系
- つまずいて相当厳しい状況だしやる気もないけどそれでもいいじゃないか系
にぱかっと割れている気がしています。主観ですが。
ただ世の中のQAエンジニアは、上記いずれかに当てはまる人は少数だとも思っています。
とくにFindyさんのキャリア関連イベントに参加してくれるような方であれば、高みを目指したり意識高くキャリア形成する系に寄りつつも、不安だったり迷いだったりを抱えている人が多いと予想しました。「悩んでないぜ!」という方は基本キャリアイベント聞きに来ないと思うので。
なので、自分としてのメインターゲットを
- ある程度若手もしくはQA歴が浅い方で
- キャリア形成に興味はあるけれども
- なかなか世の中のスパルタキャリア形成論はなじまないなぁという方
を設定しました。
それをざっくり表したのが、タイトルにした「やりたいことはない。しかし不安と迷いはある。」のところです。
ある程度成功した中堅以上の言うことは正しいが若手にとって真の理解をしづらい問題
があると思っています。
私も20代のころだいぶくよくよしていたのですが、優しい先輩や上司たちから色々なことばをかけてもらいました。
今思えばほぼ全部正しいんですよね。たとえば
- やりたいようにやってみな
- 好きに暴れたらいいんだよ
- やったらいいじゃん
などなど。
10年くらいエンジニアとして仕事して、少しながらマネジメントの経験なんかも積んでくると、意味するところがわかってきます。その通りだなぁと思いますし、自分が部下を持ったら同じように言うかもしれません。
とはいえ20代中盤でエンジニア3,4年目くらいは、人生で言うと思春期みたいなもので、エンジニアとしての自我すなわちぼんやりとした理想と実態とのギャップに苦しんだりとか、あるじゃないですか。そういうタイミングで「やりたいようにやってみた!」と言われても、中学生の反抗期のように「うるせぇババァ」とは思わないまでも「それってつまりどういうことなの?」となる、ことがほとんどでは?と思っています。
そういう実体験もあるので、今回の発表で正論や生存者バイアス的なことだけぶつけるのもあんまり刺さらないだろうとも考えました。「まあモヤるよね。それをなくすの無理だからうまいことやろうよ」と、一旦受け止めたうえで現実解(と自分が思うもののひとつ)を提示するくらいがちょうどよかろう、という判断です。
発表してみてどうだったのか
Findyさんから共有いただいたアンケート結果もかなり良かったようですし、あとは同じ社内の開発者(若手ではない)からも「めっちゃよかったすよ~」と言ってもらえたので、少なくとも誰かの役には立てたのかなと思っています。アンケート結果が良かったのも同僚が言う「めっちゃよかった」もすべて末村さん効果である可能性も充分ありますがそれはそれとして。
繰り返しになりますが、自分が成功法則を知っていてそれを伝える、という類のものではないので、あくまでも「たまたまなんとか生き残ってきたので、要因分析してみたらこういうことだと思います」程度の話しかしていません。ただ、基本こういう場で発表を聞いてくださる方々の賢さを信用しているので、うまいこと咀嚼して必要な部分だけ取り込んで貰えているはずです。
自分自身、若い頃はITエンジニア原理主義者()といいますか、
- 勉強しないやつはダメ
- アウトプットしないやつはダメ
- 仕事は技術力が大事で他はしらん
- 自己責任
みたいな思考だった時期もあるのですが、いずれの項目にも「そうはいってもね」と思えるようになってきた・・・はず・・・です。
こうやってひとさまの前で話をしたり、もしくは個別にお話してなんらかの助言をする、といった場合には、強めの正論べき論をお伝えするのか、それとも「わかります~大変ですよね~」スタンスの柔和な話をお伝えするのか、より相手のためになる内容と言い方を適切に選べるようになりたいものです。