ここ2年くらいは明確にマネージャーとしてのロールはやっていないのですが、ここ数年エンジニア組織のマネジメントの要求ハードルが上がっているような気がしています。
エンジニア組織のマネジメントに関するプラクティスが得やすくなった
まず大前提として、今どきのエンジニア組織に関するマネジメントに関しては「こうするといいよ」という情報が得やすくなっているように思います。
根拠の一つとして、書籍の充実や概念の浸透を挙げたいです。『エラスティックリーダーシップ』や『マネジメントは嫌いですけど』や『エンジニアリングマネージャーのしごと』などエンジニア組織のマネジメントに関する本が多く出ています。またSpeakerdeckなどを漁ればたくさんの(特にスクラム系でしょうか)イベントでマネジメントやチームビルディングに関する発表資料も公開されており、アクセスし放題な状態に見えます。
マネージャー以外のエンジニアもリーダーシップやマネジメント情報を得ている
アクセスできる情報がたくさんあることで、メンバーレベル含めて多くのエンジニアが技術情報に加えてマネジメントの本や資料なども読んで勉強しているように思います。職場やコミュニティで普段やりとりするような人たちとだと、「サーバントリーダーシップが〜」とか言えば伝わりますし、そうしたマネジメントに関することがらがコモンセンス化しているように感じます。
マネージャーなのに読んでないの?知らないの?
マネジメントに関するノウハウがエンジニアの間でもコモンセンス化したことで、逆にそういったことを知らない・勉強していない・読んでいないマネージャーがいると「え、知らんの?」と思われる状況が発生しているように見えます。
実際どの本を読んだ/読んでいないということとマネジメントのパフォーマンスは必ずしも関係していないのですが、ある意味「ちょっと意識の高い」エンジニアからすると、こんなことも知らないのかと下げポイントになりやすくなってしまいます。そもそも「マネージャーはメンバーよりもすべての能力が高くて知識も豊富であるべき」的な考えは幻想であって、それ自体がちょっとビジネス書でマネジメント情報をかじっていればわかることなのですが、そのように期待されてしまう状況もわかります。
そういう意味で、マネージャーに対する要求ハードルが上がっているよなーというのが個人的感想です。
一方マネージャーが熱心に学んで実践すると・・・
Twitterかどこかで見かけた記憶があるのですが、「マネージャーが1on1で傾聴してきてウザい」みたいなことを言っている人がいました。たぶん「最近腰が痛くて〜」に「なるほど、最近腰が痛いんですね」とかオウム返しでもされたんだと思います。
この不満を言い換えると、「マネジメントやリーダーシップに関するテクニックを学んだ上司が、それを実践しているのがわかって不快である」ということだと推測しました。
ただ、それを言ってしまうと、上で書いた「マネージャーなんだからマネジメントに関することやプラクティスを学んでこい」ということと矛盾してしまいます。「学べ、でも俺に適用するな」は無理な話です。
メンバーとしてマネジメントを学んだ場合の活かし方
若いうちや、自身がメンバーの時代からリーダーシップやマネジメントに関して書籍等で勉強するのはとても良いことだと思います。ただ、そこで学んだことを引き合いに出して「だからあのマネージャーはだめだ、勉強不足だ」と叩いてもあまり意味がないように思います。
そうではなくて、リーダーやマネージャーのプラクティスやあるべき振る舞いを学ぶことで、自分のマネージャーが振る舞いやすいような自分=メンバーの行動をとれるようになる、というのが理想的な活かし方です。
というのを自分があまり実践できていないので、反省も込めて書いてみました。