QAエンジニアをやっていると、開発プロジェクトのありとあらゆるところに首を突っ込みたくなりますよね!

というのは少し大げさかもしれませんが、内部品質を高めようと思うと単純にテストのやりかただけではなくて、プロジェクトの進め方やチームの中の色々に手を打つ必要が出てきます。

自分自身が今すぐの課題感を持っているわけではないものの、ふと「ふりかえりをなんとなくでやってるな〜」と思い、本書を読んでみました。

結論、自分のように「なんとなく」でふりかえりやってる人にはオススメな本でした。

ふりかえりの準備から、ふりかえりのふりかえりまで

自分も過去チームにKPTを取り入れたりして、ふりかえりはやってきたつもりでいました。ただ、うまく使いこなせているかというとそうでもなく。

本書を読んで、ふりかえりをうまくできている感が得られなかった理由が

  • ふりかえりの準備
  • ふりかえりのふりかえり

の不足だと気づきました。

本書ではふりかえりの序盤でやるといいこと、についても説明されていました。そのうちのひとつがDPA(Design the Partnership Alliance)です。これは"ふりかえりのツールを全員で作り上げる手法"と書かれています。

ふりかえりの最初に

  • どんな雰囲気でふりかえりを進めたいか
  • その雰囲気を作り出すために何をするか

を決める、というものです。

これを行うことで参加者が皆自分たちでふりかえりを作り上げているという意識を持てるそうで、ふりかえりがしっくりこない原因のひとつである「一体感」とか「参加度合いのばらつき」みたいなものに対して効果がありそうだなと感じました。

また、ふりかえりのふりかえりもすべき、と書かれています。これは確かにやっていなかった・・・

ふりかえりが終わった後にファシリテーターの自分が一人でふりかえる、のではなく、 ふりかえりの時間の最後に、参加者全員で行うのだそうです。

これもいくつか手法が紹介されていましたが、やり方はともかく「ふりかえりのふりかえり」は必須のように思います。これはすぐに取り入れたい。

ふりかえり手法と組み合わせ方の解説が良かった

本書の全体を通して、架空のチームがふりかえりを進めるストーリーがところどころ漫画で書かれていて、読み進めやすいです。

加えて、たくさんのふりかえり手法と、組み合わせ方、それぞれの手法がどのような役割を担うのに向いているかなどが解説されている点が個人的には役立ちポイントでした。

そもそもふりかえり手法を複数組み合わせるという発想がなかったので、それをゲットできただけでも収穫です。

さらっと読めるし、都度読み返しながらふりかえりを継続するのにちょうど良さそうな本でした。 セールだったので電子版を買ったのですが、紙のほうがパラパラ見られて向いているかもしれません。