ギガ盛りブログ飯というオンラインサロンのギガ盛りUnlimited(β版)にて、日本実業出版社様より
をご提供頂きました。
この手の、エンジニアの成長みたいな話題って大好きで、それこそ自分の勉強時間を削って「成長法則」みたいな情報ゲットするのが好きなくらい(本末転倒)の私なので、本の題名を見て「これは読みたい」と思いました。
エンジニアがこの先生きのこるには
エンジニアについてずーっと言われている、共通認識と言っても過言ではないことの一つが、「常に勉強していかないと生き残っていけない」ということです。
私は他の業界で働いたことがないので他のことはわかりませんが、たしかにエンジニア(ITにかぎらず)は常に新しい技術がどんどん出てくる、むしろ新しい技術を自分たちで生み出している世界を生きています。
そうなると「この技術を身に着けたら一生食っていける」というものは存在しません。昔はあったのかもしれませんが、今はありません。
ということは、常に新しいことを学び、成長していかなければいけないわけで、そんなときにこの本に書いてあるような「成長戦略」が役に立ってきます。
本書の大きなメッセージは、
- 自分のエンジニア人生を自分で設計しよう
- 楽しく学びながら成長しよう
です。
上の2つを達成するための方法が、全6章でかなり多岐にわたるトピックに触れられていています。
私が特に良い・面白いと思ったポイントは以下。
π型エンジニアになろう
π型というのは、棒が縦に2本、その上に横棒が1本乗っているこの形のイメージで成長しよう、ということ。
20代のうちは、自分の専門を深めるI型エンジニア。
30代は、自分の専門をベースに広い視野を持つT型エンジニア。
そして40代になったら、専門の他にもう一つの分野を極め、「π型」のエンジニアになろう。という考え方です。
文字の形に関連付けているのがとてもわかりやすいです。
この考え方、『自由な人生のために20代でやっておくべきこと[キャリア編] (幻冬舎文庫)』や『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』なんかにも似たような概念が出てきます。エンジニアにかぎらず、自分の人生・キャリアについて考えたり、知識を広げていく際の参考になる考え方です。
エンジニアのタイプ3種類
エンジニアのタイプを大きく3種類
- 自燃型
- 可燃型
- 不燃型
に分類する、という考え方に「なるほどー」と思いました。
特に、自分が最近「周囲を感化したり、チームが相互作用で成長していくにはどうしたらいいのか」みたいなトピックに興味があるので、なおさら参考になりました。
ざっくりそれぞれの説明をしますと、自燃型はその文字の通り、自分で燃えて行動していけるタイプ。
可燃型は、上司やリーダーがうまいこと火を着けてあげると燃えるタイプ。ここが一番多い。
そして不燃型。これは言われたことしかやらない、というタイプで、大企業の中で安定して過ごしていくだけならまあ、それでも・・・というタイプ。
本書では、エンジニアは(組織にとっては他所に行ってしまうリスクがあるので必ずしも扱いやすい存在ではないものの)自燃型であるべきだ、と書かれています。私も同感です。
自燃型は、最初のうちは自分で自分を燃やす、自分のやる気を自分で高めて活動していけるタイプとして有効です。
ただ、経験を積んでいくについれて、自分を燃やすだけではなく、周囲の可燃型エンジニアに火を着けられるような存在になっていくのがベスト。これから20年後くらいにはこんな存在になっていたいものです。
他にも有効なトピックが
全部触れていると長くなるので本書を買って読んでみて頂きたいのですが、
他にも
- 読書の話
- アイディアノートと思考ノートの話
など、どちらかというと私は本書の前半部分に興味のあるトピックが固まっていました。
今の自分にはそれほど響かなかったのですが、本書後半では
- 転職の話
- 技術士の資格
- MOT(技術経営(
- CTO
- マーケティング
などにも触れられており、この辺も「そういうのもあるんだー」と教養レベルにさっとさらうことができました。
ここはつまる/つまらないの話というよりは、自分のエンジニアとしての現在地や志向が違った、というだけのこと。
今後自分がマネージャを経験したり、年齢によって求められるスキルやロールが変わってきたりすると、このへんの話題も響くのかもしれないなーと思って読みました。
まとめ
私はITエンジニアとしての立場で本書を読みましたが、特にITエンジニアにターゲットを絞った本ではなく、もっと広くエンジニアを対象として、成長するための具体的な方法や普段の考え方について書いた本です。
キャリアの描き方についてのビジネス書を普段から読み漁っている、なんて方には目新しい考え方は出てこないかもしれません。
一方、普段技術書メインであまりキャリアやエンジニア人生について考えてこなかった、という方や、まだエンジニア人生を歩み始めたばかりで先のことはそれほど考えられていない、という方にとってはちょうど良い本だと思います。