最近PythonとSeleniumを使ったテスト自動化の入門コースを開くことが多いのですが、参加者のスキルレベルはけっこうバラバラです。
Pythonの経験がある人はスムーズですし、他の言語の経験があればそれなりに理解してもらえます。
一方プログラミング自体経験がない方だと、そもそものPythonって何?というところから説明が必要なため、結構苦労していました。
そこで、自分の学習のためというよりは「初心者に対してどう説明すればいいのか」というところから学ぶために、『スラスラ読めるPythonふりがなプログラミング』という入門書を読んでみました。
「ふりがな」とはどういうことか
まずは「ふりがな、はどのていどふりがななのか」というところが気になります。本の中では以下の画像のように、コードの各箇所について行の上に説明が書いてあります。
このように、出てくるプログラムのすべての行にふりがながふられているので、「この行はどういう意味なんだろう?」と悩まずに、読めばわかるようになっています。ここは大きなポイント。
ある程度プログラミングの経験があると、たとえば
- =で値を代入すること
- 制御構文
- メソッドに処理をまとめること
などはあたりまえのことになってしまっていて、説明の中で省いてしまいがちかと思います。本書はそのへんも含めてかなり丁寧に書いてありました。初心者が読んでわかりやすいのはもちろん、教える側からしても「こうやって噛み砕けばいいのか」という参考になります。
含まれる内容と含まれない内容
本書の目次は以下のようになっています。
- Chapter 1 Python最初の一歩
- Chapter 2 条件によって分かれる文を学ぼう
- Chapter 3 繰り返し文を学ぼう
- Chapter 4 関数を作ろう
- Chapter 5 ライブラリを使ってみよう
print文やinput、ifにforに、配列、関数、ライブラリ呼び出しなどに関して説明されています。
一方で、
- クラスとオブジェクト
- 単体テスト
などは本書には含まれていません。クラスに関しては一部記述があるものの、本書だけだと説明には足りないかな、という印象です。
超初心者向けなのでここ削るのは妥当だと思うのですが、個人的にはクラスとか単体テストを初心者にわかりやすく解説してる本がほしいところ。
まとめ:ゼロからPython触る人にはとりあえず渡したい
Pythonのインストール方法も一番シンプルなもので説明されていて、エディタも別で入れることなく解説しています。初心者が詰まってしまうポイントを極力排除しつつ、入門時に押さえておきたいポイントがしっかり書いてあるなと感じました。
プログラミング自体初めて、という人にPythonを書いてもらうときにはまず本書渡すところからのスタートでよさそうです。