1日めに続いて、2日めも終日参加してきました。1日めのレポはこちら
2日めも1記事にまとめようかと思ったのですが、長くなりそうなので個別で行きます。
E5) 「海外のテスト技術動向」 〜カンファレンス、国際会議、 海外テストチームの現場から〜
辰巳さん、山口さん、松尾さんによるセッション。お三方が
- 海外のカンファレンスにはどんなものがあるか、辰巳さんによる紹介
- 実際に海外のカンファレンスに何度も行った山口さんによる紹介
- 海外と仕事をしている松尾さんが、どうやって世界に出ているのか
について話してくださいました。
個人的にすごく面白かったセッションでした!ほんと聞いてよかった。
海外のカンファレンスにはどのようなものがあるのか
海外のカンファレンスは、アカデミック系のものやビジネス系のものがあって、去年日本で開催されたICSTなどはアカデミック系。
主要な会議として
- アカデミック系
- ISSTA:ACM主催
- ICST:IEEE主催
- QRS:IEEE主催
- ICSE併設ワークショップ
- ビジネス、実務系
- STAREAST, STARWEST:TechWell主催
- EuroSTAR:Qualtech Ltd.主催
- CAST:AST主催
- Agile Testing Days:trendig technology service
などがあるそうです。
個人的にISSTAが面白そうだったので、このあと投稿されてる論文に手をだしてみます。
この他にも先進企業が主催しているカンファレンスもあったりして、日本に居るとなかなかわからないなーと思って聞いてました。
が、世界のソフトウェアテスト系カンファレンス情報はここにまとまってました。
Software Testing Conferences 2018 USA, Canada, UK, Germany
このページに国際カンファレンスの情報を投稿すると、サイドバー上の地図にピンが出るそうなのですが、日本にはピンがありません。。辰巳さんは「JaSSTも情報渡せばピンが出るのでは」とおっしゃってました。
このように、知らないだけで実は様々なカンファレンスがヨーロッパを中心に世界中で開催されていて、このセッションで若干世界が広がった感じがしました。
**世界に出よう。学び、活用し、発信しよう。**という趣旨のメッセージに、少しずつでもそうなろう、と。
ディスカッション
山口さんからの「辰巳さんがそれだけの情報を集めているのに、どこから手に入れてくるんですか?」という質問に対し。
- もともとはひたすら検索していた
- いまはひたすらTwitter
- 「まあ・・・・好きなんですね。」
との回答。
その沢山入ってくる情報を取捨選択する、見立ての方法についても「自分の趣味」とのこと。
伺っていると、論文を辿っていってらっしゃるようでした。
カンファレンスレポート
次が、実際にここ2年ほどSTARWESTやAgileTestingDayに参加されていた山口さんのレポート。
聴講メモ
それぞれの概要
- STARWEST
- ディズニーランドホテルでやってる(!)
- 期間は6日間だが、カンファレンス自体は2日間
- JaSST Tokyoと同じくらいの規模感
- 参加費は21~50万くらい(渡航費等抜き)
- AgileTestingDays
- 開催地はポツダム(めっちゃ田舎だった、とのこと)
- 例年11月くらい
- 会期は5日間で、うち4日間がカンファレンス
- こちらもJaSST Tokyoと同程度の規模
- 21万~40万くらい
雰囲気の違い
- STARWESTのほうは講師と参加者感がある
- 講演者の時間枠を押さえて1on1ができるようになっている
- 講演者がコンサルだったりするので、ビジネスに直結している。そういった話ができる場。
- AgileTestingDaysのほうは仲間同士で教えあう感が強い
↑見せていただいた写真からは、AgileTestingDayはかなりウェイウェイしてる感じでした
セッションの違い
- STARWEST
- テストに関する主流技術紹介や、企業での事例
- Agile testing Days
- テストスキルだけでなく、開発全般や学習、コミュニケーションなどについての講演が多い
参加者
- STARWEST
- 多くがUS在住
- 保険や金融、ゲーム、Webなど様々
- Googleなど自社でイベント打つような人たちはいなかった
- マネージャとかが多くて、開発者はおらず
- Agile Testing Days
- 4割ドイツ、4割欧州、あとその他
- 業種は色々でスタートアップからくる人も多い
- SalseforceやAirbusの人もいた
- 職種はQA、テスト、開発者、マーケター、コンサル、マネージャなど様々
↑参加者のバックグラウンドの資料の中に「スーパーテスター」があって、会場ざわつく
カンファレンスの動向
- STARWEST
- アジャイルは当たり前、その中でどううまくやるか
- 機械学習を使ったテストは早い時期に実現・拡大しそう
- Agile testing Days
- 自動化組織導入は当たり前。いかに効果的・効率的にするか
このへんの「当たり前」の部分が、今回のJaSST通してのテーマだったな・・・とあとで気づきます。
ディスカッション
辰巳さんからのコメントとして
- 海外のカンファレンスに出ていく時など、自分のネタを用意していくといい。突然会話の中で出てきた話題にぱっと英語で答えるのは難しいが、こちらから話題を振ってしまえば、自分が知ってることなのでなんとか対応できる。
ということが出てきて、山口さんも実際その通りだったそうです。
モデレータの松木さんからは
- エンジニアは日常で使ってる単語がそのまま英語なことも多いので、技術の話は出来る。逆に「昼飯何食う?」みたいな話はできないw
わかります・・・わかります。
どうやって世界に出ているのか
最後に松尾さん。
OSS
松尾さんは現在の会社に入社されてからOSS活動を始めたということで、社外への貢献をしようという指針が会社としてあるそうです。(まずここがすごいなと思いました。)
結果、今はOSS活動は生活の一部となっていて、Githubの個人アカウントも沢山草が生えてました。すごい。
そんなOSS活動は英語が主。エンジニアはコードがかければ英語ができなくとも良い、といった言説を耳にすることもあるけれども、OSSをやっているとドキュメントなどで英語を書く機会もある。
ただ、自分がコードで貢献していると、英語のドキュメントで何か誤りや改善点があったときに添削をしてもらえたりする。
海外との仕事
現在のお仕事は海外事業部でされているそうで、UKにいるエンジニアと仕事をしているそうです。
採用なども松尾さんがされていて、向こうでだす求人を考えるために実際に自分が候補者として、Linkedinなどで来たオファーを受けてみたそうです。(しかも実際に何社か試験をパスしたとのこと。すごい。)(※最初に転職の意志が無い旨を伝えた上で、それでもいいからというところだけを受けたそうです)
ここでSeniorTestAutomationEngineerとして面談を受けた際には、最初の人事的なポジションの方の面談の時点で、プログラミングの知識を問われたそうで、驚きました。日本とは全く違う(下手したらプログラミングの知識を問われないままパスしてしまう。。。)。
情報収集
海外と英語のやりとりをする上で情報収集として、
- PodCast
- Testtalk, ABTesting, etc
- Articles
- Books
- Conference
- TestBash, etc
- Slack
などを活用されているとのこと。
本については、英語圏の人とやりとりをする必要が出てきてからは、まず英語の本を読むようにして、それで意味がわからずに困った場合には、2周めとして日本語で読んだそうです。
やはりそのくらいやってこそのあのレベルか、と勝手に納得して聞いてました。
まとめ
今回のJaSSTはJohnMicco氏の話を聞いてから、海外と日本の差を突きつけられた感がありました。
がそんななかで、海外の情報を積極的にインプット・アウトプットしているお三方は改めて凄いなと思うと同時に、やっぱりそういうのかっこいいのでちょっとずつ真似したい。
(モデレータしてた松木さんとセッション後に話したら、同じようにすごく刺激を受けていました。わかる。)