先日、QAエンジニアへの「必要なとき声かけますね」問題 - テストウフという記事を書きました。
大まかには「QAはプロジェクトの最初からMTG等含めて参加して情報を集めたいよね」という話です。
が、この「プロジェクトの最初から参加して〜」というときに気をつけなければならないポイントがあると思っていて、それが地蔵化です。
これは私が勝手に作った用語なので一般的に通じるワードではないです。という前提で・・・
たとえばMTGなどに参加したときに、QAエンジニアとしての意見を求められるときがあります。なにか気になる点はないか、指摘はないか、などなど。こういった場面で「特にないです」しか言わず、会議に参加してもそこに居るだけ状態になっている人、のことを私は「地蔵化したQA」と呼んでいます。
QAエンジニアに限らず、居るだけでとくに何も発言しなかったり、居ても居なくても一緒、という状態は良くないですよね。
前回の記事では、プロジェクトの最初のうちから参加させてほしい的なことを書いたわけですが、MTGなどで発言もしない、特にQA視点でのコメントができないのであれば「あいつ最初から呼んでも意味ないじゃん」となってしまいます。これでは開発やPMなども、QA側も、全員不幸なパターンです。し、そう思われるのはごもっともです。
このような地蔵化がなぜ起きるのか、についてもいくつかパターンがありそうです。
ひとつはプロジェクトの途中からJoinしたパターンで、個人的にはわりとこの状況で地蔵化しやすいと感じています。プロジェクトの途中から「ちょっとヤバそうだからQAも入って品質面をケアしてもらって・・・」といった入り方をすると、それまでの経緯があまりわかっていない状態なのでMTG等に出ても地蔵化しがちです。もちろん資料等でキャッチアップはするものの、ヤバそうなプロジェクトだと大体情報の蓄積も怪しいので、あとから入る人側の努力では限界があります。
このパターンでは、受け入れ側のフォローを意識して行う必要がありそうです。
もうひとつは、これまた私がかなり該当するのですが、その場でのキャッチアップが得意な人と持って帰ってじっくり考えるのが向いている人とがいて、後者が地蔵っぽくなるパターンです。MTGや、事前の資料確認などで集めた情報をもとにパパッといろいろ考えられる人はその場で気の利いたコメント等ができるのですが、思考を巡らせるのに時間がかかる人も割と居る、と、思っています。エンジニアの勉強会やカンファレンスなどで誰かが発表して、「質問ある方」と言われたときにはまだ咀嚼中で疑問が出てこず、あとになって聞きたいことが出てくる、という方いませんか。(私です
これは実際には地蔵化しているわけではなく「地蔵っぽくなってる」だけなので、その後の動き等で取り返していくしかありません。
さらに他のパターンとしては、本当に地蔵になっている、参加姿勢の問題ですね。これは、QAなどロールがどうこうと関係ない話なので、マネジメントや個人でがんばってもらうしかないかと・・・
地蔵化、あるいは地蔵っぽく見えてしまう状況を回避するためには、QAエンジニア側でやるべきことがあります。
ひとつは、できるだけMTGの場で発言をしたり、その場でパッと出てこなかったとしてもあとでまとめて共有するなり、なんらかのバリューを発揮するための行動を愚直にやることです。とくに「自分地蔵化してるかもしれない・・・」と思ったら、Slackなどのツール上で色々会話するなど、存在感を別の方法で出していくことが大事です。(もちろん存在感だけあってもダメだよね、というのは前提として)
また同時に、QAエンジニアの周囲の方には「こいつ居るだけじゃん」と思わないでもらえると大変ありがたいなと思います。QAエンジニアが、とくに個別のプロジェクトに閉じた話ではなくチームや組織全般で品質向上していこう、と考えている場合、コツコツ情報を集める必要があります。それは現場の開発者のちょっとした発言に含まれる困りごとであったり、チーム定例の雰囲気だったり、そうした細かいところも含まれます。
なので、(言い訳っぽくなりますが)QAがその場に居るだけでなにかすごくクリティカルな発言をしていない、としても、広く全体をウォッチしている可能性があります。
さいきんいろんなところで言われるように、QAエンジニアとひとくくりにしても色々な役割があり、求められる仕事も組織によってさまざまなので、一概には言えませんが。
ざっくりまとめると、
- プロジェクトの最初から参加したいです!と言ったQAが地蔵化するのを避けよう
- 一見地蔵化しているようにみえても、そういうわけではない場合もある
- でもQA側も、地蔵と思われないような動き方はしよう
- QA側の努力と、周りの捉え方と、両方できることがあるはず
最後にひとこと加えておくと、この話は身近なQAや過去一緒に働いたQAを思い出して「あいつが〜」と思っているわけではなく、私自身が最近地蔵化しがちだから言語化して改善しようというつもりで書いてます。脱地蔵化!