実は買ってから半年ほど本棚で寝かせておいてしまったのですが、読みはじめてみたら「これ早く読めばよかったやつ」と思い、読み終わっていないのに感想ブログを書いています。

Webサービス系の1人目QAにも良い

本書はもともとSQiPソフトウェア品質保証部長の会でまとめた内容が発端だそうで、正直買ったときの自分は「なんとなく堅そう」「自分のドメインや業務とは微妙にマッチしないのかな」と思っていました。確かに堅いと感じる内容もあるものの、それは表面的な捉え方だったな・・・と読み始めた今では反省しています。

表面を見れば堅い話であったり、Web企業方面には一見なじまないような内容もあると感じるのですが、実際ちゃんと読むとドメイン問わず共通する内容が多くありました。ドメインが違うから、といって切り捨てるのではなく、中身の本質的な部分を読み取って自分の業務や自組織にテーラリングするのが大事かつその手間をかける意味がある本です。

たとえば、私は現職で部門ひとりめのQAとしてJoinしたので、「テスト・品質概論」的な資料を作って何度か勉強会を開催しました。主に開発者に向けて、品質に関する考え方やテスト技法など全体感を伝えることを目的としています。そのときは他社さんの資料などは参考にしつつも、わりとイチから自分で資料を作りました。が、本書の第1章の内容が自分の作成していた資料とかぶっているところも多く「いまから新しく資料作るなら、この本の1章でいいじゃん!」と思ったのが正直な感想です。

第1章 ソフトウェア品質の基本概念
1.1 品質の概念
1.2 品質マネジメントの概念
1.3 ソフトウェア品質マネジメントの特徴

そのほかにも、1人目QAとしてQA組織を作るにあたって考えるべきこと、たとえば

  • 事業戦略として教育を定着させるべし
  • 品質文化がある、とはどういうことか
  • プロセス改善を進めるには
  • 品質目標を設定するには

など、 1人目QAが組織作るときに「どうしようか」と思うことあるある が色々と言及されていて、このあたりが「もっと早く読んでいれば」ポイントでした。

QA組織立ち上げに関わっている方、とくに「歴戦の立ち上げベテラン」ではなく「日々奮闘中」な方にオススメしたいです。

(1人目~という話とは矛盾しますが)複数人で輪読とかすると、中身の大事なところを抽出して自組織に適用するにはどうすればいいか、が複眼的に見えやすいかもしれませんね。