IT業界にこれから入る方や入って数年の方、日常的に 勉強する習慣はついているでしょうか?
自分の近傍を考えても、日常的に自分の時間を使って勉強している人は、多くて2割くらい ではないかな?と思います。
多くの本では、こんなとき「このままでは仕事が人工知能に奪われる」とか「ビジネスマンとして失格だ、 勉強は必須」みたいな ことが書かれています。一理あるとは思うのですが、圧をかけられて仕方なくやったところで効果が出るとは思えません。
そこで少し言い方を変えて、「せっかくIT業界で仕事をしているのだから、楽しく学びながら伸びていこう」という話が書いてあるのがこの本『IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)』です。
つまみぐい勉強法とは
本書のタイトルにも出てくるつまみ食い勉強法は、以下の3ステップで構成されています。
- えいやで、すぐ始める
- ほかの勉強にすばやくスイッチする
- 対象は変わっても、勉強自体は続ける
ターゲットを一つに絞って集中するような勉強法もありますが、つまみぐい勉強法では複数の内容を切り換えながら勉強することを勧めています。
「やりたい」と思ったときに取り組むのが1番効率が良いですよね。
もし失敗したと感じたら
つまみ食い勉強法を実践して、失敗したと感じることもあるかもしれません。
「やりたい」と思って着手したもののどうしても身につかない、ということもあります。
そんなときは
「合わないことが分かった」
と考えましょう。
勉強を進めていると、その時点での自分のレベルでは超えられなさそうな壁に当たったり、実際やってみたら思っていたのと違う(=あんまりワクワクしない)ということがあるかもしれません。そんなときは「失敗した」と思うのではなく、「まだ早いことが分かった」とか「今の自分の興味とは合わないことがわかった」と、肯定的に捉えましょう。
つまみぐい勉強法は、とにかく何かしらの勉強を続けている限り失敗ではありません。
(つまみ食い勉強法に限らず)大事なこと
モチベーション高く取り組めそうな対象を選んですぐに始める。飽きてきたり合わなかったりしたらすぐ別の対象にスイッチする。
これらのつまみ食い勉強法のベースの他に、勉強をする際のポイントがあります。
アウトプットする
たとえば勉強した内容をブログに書くとか、社内で共有するとか、アウトプットをしましょう。
明日の自分は他人、とも言いますし、アウトプットしておけばあとで自分が見返したときに、勉強した内容を思い出しやすくなります。またアウトプットすることで詳しい人からのフィードバックが得られたり、同じ興味を持つ勉強仲間ができるかもしれません。
ちなみに私は学生時代に自分が書いたプログラムをブログに貼り付けていたら、教授から添削されたことがあります。だいぶ驚きました。
勉強会にいく
IT系は勉強会が多く開かれているので、そこに行ってみるのも有益です。
その分野に強い人が分かったり、新しい技術の話を聞けたり、また講演者の仕事・職場の深い話も聴けたりします。(もちろん情報流出という意味ではなく)
ただし、勉強会の負の側面として「行っただけで成長した気になっちゃう」という問題もあります。
話を聞くだけでは酔っぱらって良い気持ちになっているのと同じ
なので、気をつけましょう。
まとめ
本書「つまみぐい勉強法」の大事なポイント・考え方は
- 楽しく勉強する
- 対象を変えても、勉強自体は止めずに続ける
- 勉強を成長につなげる
だと読み取りました。
IT業界で生き残るために勉強が必要なのはもちろんですが、ただ生き残るために苦しみながら勉強しても効果も薄いし辛いだけです。
せっかく入ったIT業界、いろんなことを楽しく学びながら過ごしていけるほうが良い。私も本書のこの考え方に大賛成です。
新入社員や入社2,3年目の若手に勧めたい1冊でした。