タイトルのような工夫をしています。

背景情報としては、QAよろず相談的なものを普段受け付けていまして、その中で「開発者に対して品質に対する意識を持ってもらったり、具体的な改善活動を促すにはどうしたらいいですかね」的な質問をよく受けます。

そこでよく答えている、というか自分が工夫している点が、目標設定とからめる、です。

私は今の開発組織に一人目のQAとしてJoinして、半期ごとに品質関連の活動がどのくらいできているか開発者にセルフチェックしてもらう取り組みを行っています。

これのP18~P22あたりですね。

別に難しいことを質問しているわけではなく、ものすごく雑に言うと「単体テストを書いている」とか「コードカバレッジを気にしている」とかそんなことをリスト化しています。

で、これをただ聞くだけでも一定の効果があるとは思うのですが、なによりタイミングが重要だと考えています。タイミングというのは、タイトルにも書いた半期ごとの目標設定に間に合うあたりを意味しています。

具体的例としては・・・

  • 3月:
    • 品質活動のセルフチェックを行う
    • 半期の目標に対する自己評価を記入して提出
  • 4月:
    • 半期の目標設定を行う
  • 9月:
    • 品質活動のセルフチェックを行う
    • 半期の目標に対する自己評価を記入して提出
  • 10月:
    • 半期の目標設定を行う

といった具合です。

つまり、自己評価の時期にセルフチェックを行ってもらって、その翌月に新たな目標設定の時期が来る、という流れです。この流れで行うことで、自然の「今回のセルフチェックでできてなかったところを次の目標にするか」という考えになってもらいやすいです。


私は転職を繰り返したわけではありませんが、いままで自分が見聞きしてきた話を総合すると、エンジニアの中には目標設定に苦労する人が少なからず居ると思っています。評価制度の中には、会社の中での等級やグレードに対して求められるレベルに達しているかどうかのほかに、「自分、この半期でこれ頑張ります!」といった自由設定項目が存在することがあります。これに何設定したものか、を悩む人がいるようです。

ここで悩んでいる開発者にとっては、目標設定の前月くらいに品質活動のセルフチェックができると、品質関連のなにかを目標設定のネタとして使えるので便利なんですよね。また、次のセルフチェックの時期はちょうどその半期の自己評価の時期でもあるため、もし何も進んでいなかったら「なんとかがんばらなきゃ」というポジティブな意味での圧にもなります。

開発者にとっては目標設定のネタになるし、QAにとっては目標設定・自己評価に絡めることでQA側が直接的にはたらきかけなくとも開発者自身や開発チーム自体で「やらねば」という方向に力が働く。これ、けっこう良い仕組みだなーと思っています。

もちろん社風とか、目標・評価制度とか、いろんなものに依存するので万能とまではいいませんが、QAとして開発組織の品質意識高めたい!という場合のひとつのテクとして取り入れてみてはいかがでしょうか。誰も損しないはずなので。